2017-09

大阪を旅したくなる本 - 2017.09.07 Thu

久々に、旅に出たくなる本の話です。

大阪旅行のことを書いた後なので、大阪を旅したくなる短編小説です。

【夫婦善哉】



本としては短篇集ですが、タイトルにもなっている「夫婦善哉」は織田作之助の処女作。

織田作之助は戦後の無頼派というイメージが強いけれど、この「夫婦善哉」は
1940年、昭和15年に発表された短編小説です。

まさに太平洋戦争の前夜、日独伊三国同盟に調印してみたり、ワルシャワの
ゲットーが完成して36万人とも言われるユダヤ人が強制収容されたりしていた時代。

それでも、戦争の暗い影が忍び寄っているような小説ではありません。
井原西鶴の匂いがかすかに残っているというのか、大坂あるいは上方とでも言うべき
古い大阪の雰囲気が確かにそこにあります。

どうしようもないぼんぼんの柳吉と、そんな亭主に苦労してばかりいる芸者上がりの
蝶子。共感はまったく出来ないけれど、何だか気になってしまう2人のお話です。

ストーリーはもどかしいものの、語り口はリズミカルで方言のセリフも小気味よい。

今の大阪は大都会で色んな表情を持つ街だけれど、この作品に描かれるような
空気感も、ほんの少しだけ残っているような気がします。

今回の大阪旅でも歩いた法善寺横丁には、夫婦善哉を出す店が今もあります。

苔でふさふさのお不動さんの隣にある小さな店で、ちょっとのぞいてみたけれど
満席でした。なかなかの人気店のようです。

お店の名前は「夫婦善哉」。そのまんまやないかーい。
小説に出てくるとおりに、小さなお椀に入ったおぜんざいが二杯でワンセットに
なっているのだそうです。

次の機会には、夫と二人で夫婦善哉を食べてみよう。

「夫婦善哉」を読めば、大阪への旅に出たくなることうけあいです。

ぜひどうぞ。


   


スポンサーサイト

宮古島を旅したくなる映画  - 2017.06.05 Mon

宮古島旅行記が終わったところで、ゆかりのありそうな映画をご紹介しておきましょう。

【深呼吸の必要】





篠原哲雄監督作品 2004年公開 日本


沖縄のサトウキビ畑で、短期のアルバイトをする若者たちの話です。

ストーリーとしては、バイトのために島にやってきた若者が、おじいとおばあの
サトウキビ畑を刈り取っていく、ただそれだけです。

そして集まって来た若者たちは、みんなそれなりに訳ありだったりします。
ありがちと言えばありがち。でも悪くない映画です。

キャストは

香里奈さん
谷原章介さん
長澤まさみさん
成宮寛貴さん
大森南朋さん
上地雄輔さん

などなど。撮影当時は、このメンバーを離島に集めることができたのですね。

作品の中では島の名前は名言されていないけれど、ロケ地は宮古島だったようです。

果てしないサトウキビ畑、強い日差し。
確かに宮古島っぽい。ただし物語の舞台としては、もっと小さな島なのかも。

割と淡々と進んでいきます。内部での恋愛とかも起こりません。

サトウキビを刈る単純作業が続きます。
思ったより続きます。

でも実際はもっともっと、延々と同じ作業が続くのですよね。

どこかシビアなリアルさもあります。沖縄の美しい風景にただただ癒やされる、
みたいなのを期待して観てはいけません。

ただし必要以上に感情移入する必要もないような気がして、深く考えず、
ぼーっと観るのが良いかなと個人的には思います。

宮古島旅行に行く前にぜひ観ておいて!!というタイプの作品ではないです。
どちらかというと、旅行の後にこの映画を観て、ちょっと切ない気持ちになって
みる、という使いかたのほうが良いかもしれません。

気が向いたかたは、ぜひどうぞ。

いつも読んでくださってありがとうございます。


 

ウラジオストクを旅したくなる映画 - 2016.11.20 Sun

ウラジオストク旅行記が終わったところで、ゆかりのありそうな映画をご紹介しておきましょう。

【ホテルビーナス】



タカハタ秀太監督作品 2004年公開 日本

フジテレビが作った、なぜか全編が韓国語のセリフ、日本語字幕で構成される映画です。
主演の草彅剛さんが、韓国語を話すキャラクターチョナン・カンとして活動されていた
頃のものなのだそうです。

公開当時には、この映画のことは全く知りませんでした。
今回ウラジオストク旅行を決めるにあたり、ウラジオってホテルビーナスの舞台よね、と
Sさんに言われて初めてその存在を知り、レンタルしてきました。

流行り物、企画ものの映画であるために、タイミングを外して観るとちょっと厳しいかなと
いう印象はどうしても残ります。

やっぱり消費期限が短いのですよね。当時はこういうのがおしゃれに見えたのかな。

そこがこの映画のキモだったのだろうけれど、韓国語で撮ったりしなければ、もうちょっと
映画としての寿命が伸びたのではと思ってしまいます。

ロケーション撮影にはウラジオストクの街や駅が使われていますが、それらしい街並みは、
そんなに多くは出てきません。無国籍な雰囲気を出すべく、どこの街であるかを簡単に特定
できないように撮られている、というところでしょうか。

でも、さりげなく美しく撮られていて好もしい映像です。淡いブルーの空の、ほんのりと
冷たいような、澄んだ空気の感じも伝わってきます。

役者さんもなかなか魅力的でした。

ウラジオストクに行く予定があるかたは、気分を盛り上げるために一度観てみるのも
良いと思います。特に旅の参考にはならないけれど。


【シベリア超特急】



水野晴郎監督作品 1996年公開 日本

一応紹介しておきましょうか。言わずと知れたカルトムービー。通称シベ超。
私が学生の頃は、シベリア超特急のロゴ入りTシャツとかもありました。

これはレビューが難しいタイプの作品ですが、とりあえず真剣に観てはいけません。
全くもって、愛すべきB級映画です。

列車が走っている感じが一切ないのがすごいです。疾走感ゼロ。

ちなみに舞台は、ウラジオストク行きのシベリア鉄道ではないようです。
列車はモスクワから、おそらくマンチュリアあたりに向かっているものでしょう。


何だかもう、何度観てもあっけにとられる、問題作です。本気なのかネタなのか、いや、
やっぱり本気かな。

山下閣下のカメラ目線が、なかなかに後を引きます。

ウラジオ全然関係ないやんて話ですが、シベリア鉄道へのロマンを託すべく、話の
タネに一度観てみても良いかと思います。

いかんせん情報の少ないウラジオストク。ちょっと異色な2本ですが、ぜひどうぞ。


  


旅に出たくなる、フェスに行きたくなる音楽 - 2016.08.17 Wed

久々に、旅に出たくなる音楽の話です。

ただでさえ暑いのが苦手な上に、お盆休みもないので今月は地味に過ごしています。

大分方面への列車がようやく運行再開したJR阿蘇駅で、ロマンティックな朝焼けを
見たくらいです。

P8073625ASS.jpg

猛暑日つづきの熊本ですが、阿蘇の朝はほんの少しひんやりして、とても快適。

P8073627ASS.jpg

夏らしく、サマソニ(SUMMER SONIC 2016)に行きたいな、なんてちょっと思っていた
のですが、暑いのが苦手だったことを思い出して見送りました。

ちなみにぜひとも見たかった、聞きたかったのはアンダーワールドとMETAFIVEです。
METAFIVEのアルバムをご紹介しておきましょう。名盤です。

【META】

商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。

META [ METAFIVE ]
価格:3024円(税込、送料無料) (2016/8/17時点)



このバンド、とりあえず豪華なメンバーです。

サマソニのページを見ると、メンバーの並び順は↓こんな感じのようです。
METAFIVE(高橋幸宏×小山田圭吾×砂原良徳×TOWA TEI×ゴンドウトモヒコ×LEO今井)

もともとは高橋幸宏さん主催の企画もので、一夜限りのユニットという位置付けだった
のだそうです。METAFIVEというバンド名にも関わらず6人?と気になっていたのですが、
そういう経緯もあり「高橋幸宏とメタファイブ」という名前だったようです。

安室奈美恵withスーパーモンキーズみたいな事ですね。あ、逆かな。

人数的にも内山田洋とクール・ファイブみたいな事でしょうか。




曲はどれもかっこいいけど、どこか甘く切なく、そしてみんな楽しそうにやってます。

具体的に旅がモチーフという訳ではないのですが、耳あたりが良くてどことなく無国籍で、
なんだか遠い異国へ行きたくなる音楽です。

またはサマソニ的なフェスで弾けたくなる、そんな音楽でもあります。

ぜひどうぞ。








蘇州の運河を旅したくなる本 - 2016.02.23 Tue

旅に出たくなる本と映画シリーズ21回目、中国・蘇州へ旅したくなる本ということで、
白楽天(白居易)の詩集の話です。

白楽天は8世紀、唐の時代の人です。
中年の頃に政府の役人として蘇州に赴任していた時期があり、蘇州の運河を題材にした
美しい七言律詩を残しています。

【ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 白楽天】

白楽天 中国の古典

白楽天 中国の古典
価格:843円(税込、送料別)



白楽天の詩は色々な本が出ていますが、手軽に読めそうなので上記を紹介しました。
蘇州をうたった詩は、こんな感じです。(漢字表記はテキストにより異なります。)

    小舫

    小舫一艘新造了

    轻装梁柱庳安篷

    深坊静岸游应遍

    浅水低桥去尽通

    黄柳影笼随棹月

    白蘋香起打头风

    慢牵欲傍樱桃泊

    借问谁家花最红

ざっくり意訳してみましょう。素人仕事ゆえ、細かな間違いはどうかご容赦ください。


    
    小さな舟を一艘、新しくこしらえた。

    柱を軽くたてて、屋根は低く葺いている。

    これで入り組んだ建物の間も、静かな岸辺でも、どこにでも行ける。

    水の浅いところだって、低い橋の下だって大丈夫。

    黄色の柳が、水面に影を落としている。そこに写る舟の棹は、月を従えている。

    白い浮草の香りが、風にのって頬をかすめていく。

    舟をゆるりとひいて行って、桜桃の木のたもとに停まろう。

    さて、どの家の花が、一番色あざやかだろうか。



そんな描写に心ひかれて出かけた蘇州の平江路は、白楽天の詩の世界そのものでした。

IMG_7230PJL.jpg

静かで美しい運河が縦横無尽に広がる、古い水郷の風情。
唐の時代から脈々と受け継がれてきた風景が、そこに佇んでいます。

まあ、原付や車のエンジン音とか人民の大音量の話し声とかも聞こえますが、ご愛嬌です。
行き交う舟の、棹をこぐ音に耳を澄ませましょう。

ものすごいスピードでもって発展している中でも、古き良き中国は確かに残っています。
とても素晴らしく、心に沁みる街でした。

白楽天の詩を読めば、蘇州の水郷を旅したくなることうけあいです。ぜひどうぞ。





NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

さえ

Author:さえ
ようこそ。旅行記ブログです。
更新は木曜・日曜の週2回。
九州在住/1970年代生まれ/
事務仕事/兼業ライター/
時々主婦です。
よろしくお願いいたします。

カテゴリ

未分類 (1)
東南アジア (32)
2010年7月ホイアン (3)
2011年7月チェンマイ (8)
2011年9月サイゴン (5)
2014年7月クラビ (15)
2017年9月ビエンチャン (1)
ヨーロッパ (43)
2012年8月フィンランド・エストニア (20)
2016年6月ウラジオストク (23)
台湾 (9)
2013年2月台北 (6)
2017年5月高雄 (3)
中国 (47)
2011年6月無錫 (2)
2013年12月上海 (13)
2015年7月上海・蘇州 (16)
2017年3月蘇州・周荘 (16)
韓国 (18)
2013年9月プサン (5)
2014年5月プサン (13)
九州 (41)
2015年1月宮崎 (6)
2015年2月鹿児島 (7)
2015年7月上天草 (7)
2015年12月別府 (8)
2016年4月鹿児島 (5)
2016年7月ハウステンボス (4)
2016年12月博多 (4)
沖縄 (38)
2015年1月沖縄 (12)
2016年1月沖縄 (11)
2017年1月宮古島 (15)
東京 (12)
2013年8月東京 (1)
2014年6月東京 (6)
2016年12月東京 (5)
京都 (36)
2012年12月京都 (1)
2013年5月京都 (1)
2014年2月京都 (13)
2015年4月京都 (11)
2016年11月京都 (10)
国内その他 (24)
2010年2月和歌山 (1)
2011年6月札幌・小樽・余市 (3)
2014年10月伊勢・岐阜 (11)
2015年10月神戸 (6)
2017年4月大阪・奈良 (3)
日帰り小旅行 (124)
旅に出たくなる本と映画 (25)
帰省 (11)
ホテル (9)
温泉 (8)
その他 (37)
旅のお仕事 (22)
【番外】熊本地震 (6)

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08 

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

PR